チキンラーメンを筆頭に、インスタントラーメンは体に悪いというイメージを持っている人は多いですよね。
親の世代からチキンラーメンやカップヌードルは「添加物の塊だから体に悪い!」と刷り込まれて、美味しいのに我慢してきた…。
でもチキンラーメンを発明した安藤百福さんは、「栄養食品」として作ったというのです!
チキンラーメンやカップヌードル、本当は栄養食品で健康に良いの?
それとも体に悪い???
もくじ
チキンラーメンが栄養食品って本当?
本当です!
戦後10年以上経過しても、まだ日本人の栄養状態は悪かったのです。
ドラマ「まんぷく」の萬平さんのモデル・安藤百福さんは、国立栄養研究所長の有本邦太郎さんにチキンラーメンの栄養成分の分析をお願いしました。
すると厚生省がチキンラーメンを「妊産婦の健康食品」として認めてくれた上に、国民に大々的におすすめしてくれたのです!
妊産婦の健康食品だなんて、ダネイホン(モデルはビセイクル)の時と同じですね!!!
※ダネイホンのモデル・ビセイクルについてはこちら⇩の記事でまとめています。
その後、安藤百福さんはチキンラーメンに
- ビタミンB1
- ビタミンB2
を加えました。
すると、厚生省はチキンラーメンに「特殊栄養食品」の認可をしてくれたのです!
特殊栄養食品とは…
- ビタミン
- ミネラル
- 必須アミノ酸
などが、決められた量より多く含まれることなどの条件があります。
チキンラーメンは、その条件をクリアしていたので、栄養豊富な栄養食品と認められたというわけです。
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チキンラーメンの健康に良い成分とは?
チキンラーメンが体に良いと言われた成分は、なんといっても鶏ガラスープの成分!
では鶏ガラスープ200ccの栄養成分は・・・
栄養成分 | 鶏がらスープ200㏄当たり |
一食当たりに摂取したい量
|
ビタミンB1 | 0.04mg | 0.32mg |
ビタミンB2 | 0.18mg | 0.36mg |
ナイアシン | 2.4mg | 3.48mgNE |
ビタミンB6 | 0.06mg | 0.35mg |
ビタミンB12 | 1μg | 0.8μg |
葉酸 | 12μg | 80μg |
パントテン酸 | 1.54mg | 1.5mg |
ナトリウム | 60mg | ~1000mg |
カリウム | 130mg | 833mg |
カルシウム | 4mg | 221mg |
マグネシウム | 4mg | 91.8mg |
リン | 42mg | 381mg |
鉄 | 1mg | 3.49mg |
銅 | 0.02mg | 0.24m |
鶏ガラには、たくさんの栄養成分が入っているんですね~
中でも、1食あたりに摂取したい量に近い栄養成分は「パントテン酸」。
パントテン酸は水溶性の(水に溶ける)ビタミンで、その働きは
- 糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促す。
- エネルギー作る酵素を助ける。
- コレステロール合成の補助(コレステロールは、ある程度あったほうが良い)
- ホルモン合成の補助
- 免疫抗体の合成の補助
- 皮ふや粘膜を健康に保つ
などの働きがあります。
その証拠に、当時の口コミでは・・・
チキンラーメンの健康効果口コミ
チキンラーメン発売当時
- 「チキンラーメンを食べると肌につやが出る。」
- 「チキンラーメンを食べると精がつく。」
と評判だったそうです。
安藤百福さんのところには、肌につやが出たという喜びの手紙も届いたそうです!
一方、現代の多くの人には「インスタントラーメンは体に悪い!」というイメージがありますよね。
私の母親も、インスタントラーメンを親の仇のように嫌っていて、チキンラーメンを買ってくれたことはありませんでした。
だから次は、チキンラーメンやインスタントラーメンが体に悪い理由をまとめます。
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チキンラーメンは添加物・酸化油も多くて健康に悪い?
「チキンラーメンやその他のインスタントラーメンは体に悪い」って主張する人の言い分を聞いてみると…
- 栄養の偏り
- 塩分の取りすぎ
- 添加物が多い
- 揚げ麺の油脂が酸化している
なるほど。
それそれ検証します!
栄養の偏り
チキンラーメンは栄養が偏る?
そもそも、チキンラーメンは「麺」です。
肉や野菜の代わりに食べるものではないですよね?
「毎日チキンラーメンを食べていると栄養が偏る」というのは
「毎日素うどんを食べていると栄養が偏る」と言っているのと同じ。
同時におかずを食べれば解決します!
塩分の取りすぎ
チキンラーメンは塩分の取りすぎになるのか確かめてみます。
世界保健機関(WHO)が目標にしている食塩摂取は、1日に5g。
一方、チキンラーメンの成分表示を見てみると…
エネルギー | 377kcal(めん355kcal、スープ42kcal) |
たん白質 | 8.2g |
脂質 | 14.5g |
炭水化物 | 53.6g |
食塩相当量 | 5.6g(めん2.3g、スープ3.3g) |
ビタミンB1 | 0.61mg |
ビタミンB2 | 0.74mg |
カルシウム | 278mg |
はい、オーバー!
チキンラーメンのスープまで飲み干すと、摂取した塩分は5.6g。
WHOの目標は5gなので、「チキンラーメンは塩分の取り過ぎになる」というのは真実でした。
因みに日本の厚生労働省の発表している塩分摂取目標は
- 成人男性:1日8g未満
- 成人女性:1日7g未満
チキンラーメンを食べたら、1日の目標量の半分以上は摂取したことになっちゃいます。
そして高血圧を予防したいなら、1日に6g以下に抑える方が良いのです。
どちらにしても、チキンラーメンは塩分が多いってことですね。
塩分の取り過ぎが健康に悪い理由は、
高血圧になる確率が上がること。
高血圧になると、脳出血や心筋梗塞の危険も高まります。怖い!
チキンラーメンを食べた日は、他の料理の味を薄くしましょう!!!
添加物が多い
チキンラーメンには、どんな添加物が入っているのでしょうか?
原材料として袋裏面に表示されているのはこちら⇩
- 油揚げめん(小麦粉、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、香辛料、糖類、たん白加水分解物、卵粉、デキストリン、香味調味料、オニオンパウダー)
- 加工でん粉
- 調味料(アミノ酸等)
- 炭酸Ca
- かんすい
- 酸化防止剤(ビタミンE)
- ビタミンB2
- ビタミンB1
鶏肉・乳成分・ごま・大豆の成分も含まれます。
※赤字が添加物です。
それぞれ健康に悪いのか調べてみると…
- たん白加水分解物
法律では「添加物」ではなく「食品」。
タンパク質を加水分解(塩酸や酵素で分解)して作る「うまみ調味料」のことです。
加水分解イメージ図⇩ ペプチドの味は、グルタミン酸単体などのアミノ酸よりも、複雑なコクや濃厚な感じがする「ステキ調味料」です。この「ステキ調味料」のタンパク加水分解物は、塩酸(胃酸の成分)で作る場合、副産物として有毒物質(クロロプロパノール類)も生成されてしまいます。
この副産物は、ラットの実験では、腎臓や肝臓、精子に影響がありました。
※タンパク加水分解物自体が有毒なわけではありません。
- デキストリン
デキストリンは、でんぷんを加水分解したもので、砂糖より分子は大きいです。
あまり甘くないです。食品に添加する目的は
・とろみをつける
・保湿効果
・油のべたつきを抑える
・調味料をつける
などのために使います。この程度の目的で使われるなら、健康に悪くないですね。
- 加工でん粉
加工でん粉は、その名の通り、合成されたでん粉です。食品に添加する目的は
・増粘剤
・安定剤
・ゲル化剤
・糊料
・乳化剤などのために使われます。
厚生労働省は、「発がん性や生殖発生毒性などはないから安全だ」と言ってますが、厚生労働省が信用できないから、今後の研究結果を待ちたいですね。
- 炭酸Ca
炭酸Caは、チョークの成分です。(チョークは食べないでね)食品に添加する目的は
・栄養強化剤
・ガムベース
・膨張剤
・表面をサラサラにする
・pHの調整
として。カルシウム入りの食べ物を買ったら、炭酸Caって書いてあるかも。
特に有害ではないようです。
- かんすい
「かんすい」とは中華麺を作るときに加える添加物で、モンゴルで発見され、大昔から中国で使われてきました。小麦粉に添加することで、中華麺独特の色や食感が生まれるのです。
主成分は
・炭酸カリウム
・炭酸ナトリウム
・リン酸塩
など。お年を召した人の中には、「かんすい」は健康に悪い!と思っている場合もあります。
それは、過去に主成分が水酸化ナトリウムという、危険な「かんすい」が存在したせいです。
今は安全ですよ~ - 酸化防止剤(ビタミンE)
チキンラーメンは油で揚げてあるので、油の酸化防止のためにビタミンEが添加されているんでしょうね。ビタミンEは摂取し過ぎなければ、特に健康に悪くないです。安全です。
- ビタミンB2
ビタミンB2は、ダネイホン(ビセイクル)を作った時のような、栄養補助のための添加物ではありません。合成着色料です。
添加するとキレイな黄色系の色になります。
「着色料」と表示するより「ビタミンB2」の方が体裁が良いから、「ビタミンB2」と表示するとか…大人の事情ですね。まぁ、ビタミンで色が付けれるなら健康に悪くなさそうだし、良いんじゃないでしょうか。
- ビタミンB1
ビタミンB1を加える目的は、「保存料」として…と言われていました。でも実は、ビタミンB1に保存料としての効果はない。
しかも保存料として添加されているのは、ビタミンB1ラウリル硫酸塩だというのです!ビタミンB1ラウリル硫酸塩はチアミンラウリル硫酸塩のことで、抗菌作用があるので保存料として使われるってわけです。
ビタミンB1ラウリル硫酸塩は1970年「発がん性があるんじゃないか?」と問題になりましたが、厚生労働省が調べたところ、「発がん性はない」そうです。
チキンラーメン揚げた油脂が酸化している
チキンラーメンは麺を油で揚げています。
揚げ物は、時間が経つと揚げ油が過酸化脂質になって健康に悪いと言われています。
この過酸化脂質は健康に悪く、大量に食べると
- 下痢
- 細胞の機能障害
になります。
この過酸化脂質ができないように、チキンラーメンにはビタミンEが添加されているのです。
でも時間が経てば経つほど、ビタミンEの能力以上に過酸化脂質が増えます。
チキンラーメンが常温保存できるからといって、長期間放置せず、買ったら早めに食べたいものですね。
チキンラーメンは毎日食べても健康被害はない?
チキンラーメンの父・萬平さん…もとい安藤百福さんは、発明してから毎日インスタントラーメンを食べました。
そして96歳までお元気でした。
安藤百福さんのインスタントラーメンの食べ方は、私たちの食べ方とは違います。
その食べ方とは
1日1回、お吸い物の代わりに食べること。
基本的に粗食で贅沢な食事はせず、サンマやイワシなど、青魚が大好きだったそうです。
高齢になっても週に2回はゴルフに精を出し、たくさん歩きました。
他の料理を薄味にすることで、塩分の調整をしていたのかもしれません。
安藤百福さんのような食べ方なら、チキンラーメンを毎日食べても健康被害はなさそうですね!
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まとめ
チキンラーメンは、戦後の日本人にとっては栄養食品でした。
実際に滋養があるとか、肌につやが出たという人もいました。
体に悪いと言われる添加物は、おおむね安全。
油の酸化はビタミンEで防いでいるけど、心配なら早く食べる!
安藤百福さんは毎日食べていたけど、96歳まで長生きされました。
毎日食べたいなら、百福さんのように粗食して青魚を食べ、運動するべし!
さ、チキンラーメン買ってこようっと。
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