ここでは豚コレラについての疑問点をまとめています。
豚コレラは人間に感染しないと言われていますが、感染した豚の肉を食べてしまったらどうなるのか。
豚コレラが人間に感染しない理由と豚コレラと人間のコレラの違いは?
家畜の豚はワクチン接種をしないのか?
アメリカではどうやって豚コレラを根絶したのでしょうか。
もくじ
豚コレラは人間に感染しない?!
豚コレラは人間に感染しません!
農林水産省や消費者庁、食品安全委員会も、「豚コレラは人間に感染しない!」と言っています。
では、今日食べた豚肉が、豚コレラに感染した豚の肉だったら・・・
もし食べた豚肉が豚コレラに感染してたらどうなる?
食品安全委員会では、豚コレラは豚・いのししのみに感染する病原ウイルスなので
「感染した豚の肉・内臓を食べても大丈夫!」
と言っています。
安心して豚肉を食べましょう!
ってなぜ安全なのでしょう?
豚コレラが人間に感染しない理由は、何でしょう???
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豚コレラが人間に感染しない理由
豚コレラは、豚コレラウイルスによって発症する豚・いのししに感染する病気です。
この豚コレラウイルスが人間に感染しない理由は・・・
人間が豚コレラウイルスへのレセプターを持っていないから。
レセプターとは「受容体」のこと。
つまりレセプター(受容体)は、ウイルスと人間の細胞を取り持つ働きをするものです。
レセプター(受容体)は私たちの細胞の表面に存在して、相性の良いウイルスが来たら受け入れてしまうのです。
例えば、病気になるウイルスが、人間の口に入ってきた場合
- 人間の喉などの細胞にレセプター(受容体)に着く。
- ウイルスは自分の遺伝情報を細胞内に送り込むんで細胞の乗っ取る。
- ウイルスに乗っ取られた細胞は、ウイルスのコピーをありったけ作る。
- ウイルスに乗っ取られた細胞は、細胞ごと破壊して外に出てくるか、少しずつウイルスのコピーを排出し続ける。
ということが起こるわけです。(かなりザックリ解説しています!)
つまり、豚コレラウイルスに対して、人間は1の「レセプター(受容体)」を持ってい
ないので、感染しないというわけです。
ただし
ウイルスは短期間で突然変異することが可能。
細菌より簡単に突然変異します。
でもね。
豚コレラが怖いから豚肉を食べるのをやめるなんて、しなくてOK。
加熱調理で、豚コレラウイルスも撃退です!
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豚コレラと人間のコレラは何が違う?
豚コレラと人間のコレラの違いは、そもそも
- 豚コレラ:ウイルス
- 人間のコレラ:菌
という大きな違いがあります。
っていうか、全く違うものです。
下痢や嘔吐などの部分的な症状が似ていることから、同じ「コレラ」という名前になったのかもしれません。
豚コレラの症状は、急性のものから慢性のものまであります。
子豚が感染すると、ほぼ助からないと言われている怖い「豚コレラ」。
そもそも人間みたいにワクチンの接種はしないのでしょうか?
豚は「豚コレラワクチン」を接種しないのか
日本では、1969年(昭和44年)から「豚コレラワクチン(生ワクチン)」の接種を始めました。
現在、通常「豚コレラワクチン(生ワクチン)」の接種をしていません。
豚コレラが流行したときのみ、緊急ワクチンとして使われるくらいです。
なぜ現在の日本では、豚コレラのワクチンを緊急時しか使わなくなったのでしょう?
豚コレラワクチンを緊急時のみ接種する理由
「豚コレラワクチン」を、人間の子供みたいに、どの豚にもを接種していれば良いのに…と思ってしまいますよね。
実は、1992年(平成4年)から、日本では豚コレラを発症する豚はいなくて、徐々にワクチン接種は義務ではなくなりました。
日本は豚コレラについて、いわゆる「清浄化」された国となったのです!
その後は人間のおたふくかぜワクチンみたいに、豚コレラワクチンも希望する飼い主のみ、都道府県の許可を得て接種していたのです。
しかし・・・
2004年に鹿児島県で、豚コレラに感染した豚(野豚じゃなく家畜の豚)が発見されました。
この2004年の豚コレラの原因は、豚コレラの流行を恐れた畜産業者が
未承認の豚コレラワクチンを、鹿児島県に許可を得ずに密かに接種していたことだったとわかったのです!
心配する気持ちがあだとなってしまったのですね。
じゃあ、またどの畜産豚も豚コレラワクチンを接種できるようにしたら良いのに!
それができないんです。
豚コレラワクチンの接種を復活させるということは、「豚コレラ清浄国」というブランドをなくすことになります。
「豚コレラ清浄国」ブランドは、とっても大切!
豚コレラ清浄国ブランドあり |
輸出が有利。清浄国以外からの輸入を断れる。ワクチン代が浮く。
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豚コレラ清浄国ブランドなし |
輸出が難しくなる。清浄国以外から輸入を迫られるかも。ワクチン代がかさむ。
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お金ですね。
「豚コレラ清浄国」というブランドには、お金の問題が深く関わっていたのです。
ではこの豚コレラ、どこから来たの?海外か?
豚コレラはどこから来たの?
日本での豚コレラは、アメリカから来たと言われています。
でも見えないから、本当のところはわからない気がします。
1903年、アメリカで豚コレラウイルスが発見されました。
日本では、アメリカで豚コレラが発見される前から、同じような症状の豚がいましたが、そもそも「豚コレラ」という病気が認識されていなかったのです。
現在、アメリカでは豚コレラは完全に撲滅し、「清浄化」に成功したと発表しています。
ではアメリカでは、どんな方法で豚コレラを清浄化させたのでしょうか?
アメリカで豚コレラを根絶した方法とは
アメリカで実際に行われた豚コレラを根絶した方法とは
- 感染した豚のいる地域・周辺を検疫して徹底管理する。
- 感染した豚がいた施設に出入りした豚を全部追跡。
- 感染した豚はすべて処分する。
- 感染した豚がいた施設は消毒・洗浄。
- 豚畜産業者へ必要な支援を行う。
- 新しい情報は速やかにニュースで国中に知らせる。
- 国民に豚コレラの情報を公開して知識を得てもらう。
- 発症していなくても、豚を週2回確認する。
- 新入りの豚は21日間隔離。
- どんな病気でも、豚が病気になったら隔離。
- 野豚と接触しないように塀を作る。
などです。
ウイルスは見えないから、本当に大変な作業です。
まとめ
豚コレラは人間に感染しないウイルスよる病気です。
仮に、豚コレラに感染した豚の肉を食べても、人間は大丈夫!
人間が豚コレラに感染しない理由は「レセプター(受容体)」を持っていないから。
豚コレラワクチンを常時使えない理由は、「豚コレラ清浄国」というブランドを守るため。
アメリカには、豚コレラを根絶した歴史がある。
ということをお伝えしました。
豚肉大好きな私は、これからも豚肉を食べますよ!