昼食を取りながら「バイキング」を観ていると、相撲の女人禁制についての賛否両論が世界に広まっていると報道されていました。
どの程度、海外で注目されているのかはわかりませんがCNNのニュースを検索するとありますね。
These women were asked to stop treating a collapsed official because females aren’t allowed in sumo rings https://t.co/FemyfZ9bV4 pic.twitter.com/FWoMIK0vZv
— CNN (@CNN) 2018年4月5日
正直私は相撲をしたい願望はないので、相撲が女人禁制でも困らないのですが、どんな「伝統」にも「始まり」があるので調べてみることにしました。
相撲の歴史を最初から見てみましょう!
相撲の史実に登場する「最初相撲」は「女相撲」だった?
いつから女人禁制になったの?
女人禁制は新しい伝統文化かも?
もくじ
相撲の歴史と女相撲
日本の史実として、初めて相撲が登場したのは「日本書紀の雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)」の記述の中だと言われています。
日本書紀に登場する相撲
凄腕の木工職人・韋那部真根(イナベノマネ)って人がいて、まあ、本当に上手に作業するもので、雄略天皇は真根に尋ねました。
雄略天皇「きみ、スゴイね!失敗することないの?」
真根「ないっすね! 自分、失敗しないので!」
これを聞いた雄略天皇は、作業している真根の前で、衣類を脱がせた女官に相撲を取らせます。
どれくらい女官が裸に近かったのかわかりませんが、真根は女官の相撲が気になって作業を失敗してしまうのです。
それを見た雄略天皇は、
「失敗しないって言ったじゃん! 嘘ついたな! 処刑だ!」
と真根を処刑しようとしました。
すると真根の仲間たちが、真根のような優れた人が処刑されるなんて・・・と嘆き悲しんだのです。
それを見た雄略天皇は、
「優秀な人物を失うところだった。すまんことでした。」
と処刑をやめてくれたのです。
↑このストーリー、酷いですね!
でも、とりあえず女性が相撲をとっています。
まぁ、神事としての相撲ではないですが、一応天皇は「神」扱いだったので
神の御前で女性が相撲をしたってことでいいかもですね!
それにしても、この雄略天皇・・・ダメ天皇ですねー。
この雄略天皇のいた時代を西暦に変換すると、460年以降で、5世紀頃のことです。
この時代の話にすんなり「相撲」という文字が出てきたということは、当然それ以前から「相撲」は存在したということですよね。
子供の戦いごっこの延長だと思えば、人間が猿だった時代から相撲してたかも?
江戸時代の女相撲
女相撲の歴史を調べると、江戸時代中期には「女相撲」というものが存在しています。
江戸や大坂(大阪)で興業として「女性対盲目の力士」
という組み合わせでスポーツショーとしての女相撲があったというのです!
でもこの女相撲、純粋にスポーツとして発展することは難しいことでした。
どうしても、女と男が相撲をする、着物を脱いでいる、という条件ではヤラシイ眼で楽しむ人もいるわけです。
だから女相撲は、お上から何度も禁止になり、形を変えつつ明治時代を迎えました。
明治時代の女相撲
明治時代になると、女相撲は全裸にはならず襦袢を着たままで・・・
ってそれまで全裸だったんかいっ!!!!
って突っ込みたくなりますよねー!
日本もなんだかんだ言っても、未開の民族だった時代もあったんだなって思いました。
あれ?
相撲が女人禁制になったのはいつから?
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相撲はいつから女人禁制?
歴史を見てみると、テレビで相撲関係者が言っている
「相撲は神事だから」とか
「相撲を捧げる神様が女性だから、ヤキモチを妬かないように」とか
「女性は不浄のものだから」とか
全然関係なく、明治になっても女相撲やってるんですよ!
しかも相撲はショーだったし、関取は今で言う野球選手やJリーガーみたいな存在だったわけです。
ではいつ女人禁制だの、伝統だのと言われ始めたのか・・・
はっきりこの年から!っていうのではないですが
相撲業界が見世物小屋的な立ち位置ではなく、尊敬されるような業界に変わったのは1884年(明治17年)ごろからだと言われています。
裸の見世物はヤラシイからダメ!と言われて消え入りそうだった相撲が
「神事」とか、「カッコいいもの」、「伝統文化」というオシャレ(?)なものに生まれ変わったのは、相撲を続けて行きたかった相撲業界の努力によるものなのだと思います。
そしてもっともらしく「女人禁制」にできたのは、女性蔑視が激しかった明治時代だからできたことかもしれません。
1909年(明治42年)、いつも相撲を見せていた建物を「国技館」という名前にかえたのも、相撲業界的には宣伝効果抜群で大成功だったのではないでしょうか。
そして相撲業界は、
「相撲って日本の伝統文化なんだよ!」
「相撲は日本の国技!」
と宣伝し、国民も「そーなのかー!」と納得していったみたいです。
それに何より相撲が神聖なものになると、チケット代も上がることが容易に想像できます。
「神聖」、「伝統」、「女人禁制」は、相撲界にとってお金になる、大切な文化だったのでしょう。
「ブランディング」ってことかな?
商売人としてはアッパレです!
新しい伝統文化「相撲の女人禁制」
相撲の歴史と女人禁制についてまとめると
- 相撲はとにかく昔からある。
- でも昔は男も女も相撲をしてよかった。
- 「相撲は女人禁制」ということが始まったのは、国技館が出来た明治時代から?
今回わかったことから、何にでも「始まり」はあるってことを痛感しました!
一言で言うと、「新しい伝統文化」ですね!!!
新発売のロングセラーみたい!笑
そもそも「伝統」は人間が勝手に作るもの。
「女性は不浄」という考え方を作ったのも人間だし
「神様が女性だから、女性が土俵の上にいたら嫉妬する」という考え方を作ったのも人間。
勝手に作っておいて「伝統だから変えられない」とか変な話です。